親父。

今日は俺の親父について書いてみることにしようと思う。
親父には、1つの習性があるんだ。それはたまに突発的に会社を休むってものなんだが、その習性は今日も如何なく発揮された。
俺の母親は週3でパートがあり今日はパートの日だった。母親は家を出ていく時に俺を起こしてから出ていく。
「早く起きなさーい。あと今日、お父さん一日中家にいるから。」
―は?
ちょっwwwおまっwww
一日中家って軽く流し杉だろwww俺は一気に目が覚めた。
「え?え?一日中家にいるってどういう…」
「いってきまーす」
ガチャン!(ドアの閉まる音)
俺の質問は無情にも無視され母親は颯爽と家を出ていった。(実家に帰らせて頂きます。とかそういう意味ではないよ。)
俺は直ぐに着替えてリビングへ向かった。


ドアを開けると親父は新聞を読みつつ朝飯を食っていた。
「おはよう」
と親父。
「もはよう」
俺も笑顔で返す。
「ところでwinny自衛隊の機密漏洩ってあるだろ…」
唐突に新聞の記事について語り出す親父。会社休むのスルーかよ…!
「あんな末端の隊員が機密情報持ち出せるのは問題だな。」
知らんよ!それよりお前が休んでる方がよっぽど問題だよ!


と思ったけど、こう何回もあると流石に慣れたので口には出さない。
「いや、あれは北朝鮮に対するブラフで漏れたのは偽情報なんだよ」
とか適当な事を言っておく。
てか、お前が!会社を!休むと!俺が!予備校を!サボれないだろうがぁぁ〜!
という思いを胸に朝飯を食べつつ親父のくだらない話に付き合う健気な俺。正直めんどい。
だから俺は朝飯を神速で食べ終え、予備校に行くまで自分の部屋でのんびりしていた。
毎日家を出るまでの一時。これが俺の至福の時だ。
そこに静寂を破るように親父の声が響く。
「おーい、そろそろ予備校行く時間じゃないのかー?遅刻しないように急げよー!」
まだ30分以上あるじゃね〜か!俺の遅刻の心配するより!自分が!会社休んでる事を!心配しろよぉぉぉ!
という俺のパッションは心の中に虚しく響くだけ…。
頼むから素直に会社行ってくれ…親父…。
そういう思いを込めて言葉を紡ぐ。
「まだ大丈夫〜。それより死んだ方がいいよ〜^ ^」